日時: 2010年1月19日(火)
場所: 安房地域医療センター
幹事: 香田道丸
テーマ: 安房地域における救急医療と医療センターの役割り
出席者: (敬称略・順不同)
鴨川市立国保病院:関洋史 伊藤慎介 大塚堅一 須鎌房代 田代ひろ子
松戸市立病院:小橋孝介
亀田総合病院:佐藤杏 高橋聖香 濱田綾子 鎌田麻子 白鳥真理 吉野有美子
亀田リハビリテ-ション病院:井合茂夫
中原病院:大橋恵子
花の谷クリニック:伊藤真美 安恵美 小林直哉 島塚喜美子 川島夏希(筑波大学生)
松永医院:松永平太
七浦診療所:田中かつら 三津田由紀
七浦薬局スマイル:吉田裕也
安房地域医療センター:水谷正彦 本島新司 不動寺純明 杤谷四科子 地畠暁
井上明 妹尾孝浩 山岸智子 繁田順子 田沼昭次 土屋瑠見子
香田道丸 石井たい子 高橋美里 石井紗矢香
館山病院:山田真和 岩部秀夫 伏見一章 阿曽巌雄
天野クリニック:天野晋
佐々木歯科:福澤幸子 刈込裕美
ファミール産院:安藤香代子
亀田ファミリ-クリニック館山:寺内勇 織田暁寿 伊藤かおる 小宮山学 江藤
鈴木早苗 鈴木健一 遠藤ひろみ 石井春子 小磯なを美
富山国保病院:伊藤順子 鈴木孝徳
安房健康福祉センター:青木啓子
辻クリニック:辻博勝
議事録:安房地域医療センター 香田道丸(幹事・進行)
【議事内容】
(1) 安房地域における救急医療と医療センターの役割り
安房地域医療センター 救命救急科 部長 不動寺 純明 先生
① 安房地域医療センターの現状
安房医師会病院から安房地域医療センタ-に変わりどうなったのか?
現時点での診療科は内科系が殆ど。ただし、各科1~2名の体制。外科は院長を中心に6名の医師が病院を支えている。泌尿器かは外来のみ。以前と異なり一番の問題は整形外科が無いこと。現時点では週3日だけ亀田総合病院からの整形外科医が外来に出ているが、入院・手術が出来ない。小児科も外来のみ毎日やっているが、入院は出来ない。
② 安房地域医療センタ-の救急体制
・平日の日中は救急専属医師が2~3名。夕方~夜間は1名救急医が残り、当直医と2名体制で診ている。深夜帯は当直医が1名のみ。安房地域医療センタ-は内科系の医師が多くなので、当直も内科医になることが多いので、内科系は何とかなるが、外科と小児科は不得手なことが多いが、救急専属医がいる場合は極力対応している。日曜日の、日中は、外科・内科・小児科と救急専属医も出ている。当院は原則予約制。予約がなければ救急にまわされるので、出来るだけ予約をとってもらうと、専門医に診てもらうことができる。
③安房地域医療センターになってからの累計
・救急外来受診 1000人/月→2000人強/月(予約外の患者を救急で診るようになってから)
・救急車の搬送台数 60件/月 →140~150件
・救急外来からの緊急入院 100件強/月(紹介患者が50人弱)
・救急外来 約2万人強/年
・救急車 約1700台/年
・入院が必要と判断し、そのまま救急車で別の病院に搬送する患者が約19%。
・心配停止患者 約80人/年(亀田病院は50~60人/年)
・呼吸器関連・尿路感染症・敗血症・うっ血性心不全等はほほ対応可能。
・心筋梗塞・狭心症の半数は搬送、大動脈疾患は心臓外科のある病院へ、脳出血は2/3、くも膜下出血はすべて搬送している。また、超急性期の脳梗塞に対し、血栓溶解療法を行っていないので、搬送している。
④ 安房地域の実情・問題点
・高齢者の独居、老夫婦世帯が多い。
・同様に施設入所が必要な人や施設入所者が多い。
・入院ベッドがかなり少ない→亀田病院も安房地域医療センターも慢性的満床状態で救急患者がどこにも受け入れてもらえない非常事態がかなりな頻度で起こっている。
・開業医にかなりのウェイトがかかっている。
・中途半端に東京に近く、都心と同ベルの医療水準を要求される。
・患者の中には、ご飯を作ってくれる人がおらず、食事を摂っていない人。通院といっても交通機関もなく、送ってくれる人もいない。退院しても生活できない人等、社会問題が背景にある人多い。
・夏場は旅行者が多い。
・自分の専門分野しか診ようとしない医師が増えており、当院の当直医でも「聴けない」医師がいる。
⑤ 解決策
・館山地区は病院が比較的少なく、診療所が多い。しっかり連携し、電話一本で患者情報がスムーズにやり取り関係を構築する。
・誰が主治医なのか?誰が中心で診てるのか?きちんと表明するべき。患者の丸投げはまだしも、方針の丸投げはやめてもらいたい。
・高齢化率は最先端。高齢人口30%超えている。対応できる最先端の地域医療を構築するため、どんどん安房地域医療センターを利用し、どんどん意見を言ってほしい。
⑥ 質疑応答
松永:誤嚥患者に対し、簡単に胃ろうにして帰そうとする医師がいる。帰るに帰れず、施設も利用できない状況になる。意向を伺いたい。
不動時:難しい。病院にすれば早く退院させたいが、患者にとっては早く退院することが最善ではなく、その後の生活が大切。胃ろう・気切を置くのが良いのか?誤嚥肺炎繰り返しても良いのか?「一番良い事」は患者個々で違うと思う。患者・家族を巻き込んで相談し、主治医(診療所)と連携をとっていくしかないと思う。
岩部:館山病院副院長の岩部です。4月から赴任しました。館山病院から色々難しい症例をすんなり引きとってもらい、大変感謝している。
不動時:病診連携はもとより、病院どうしの連携・コミュニケーションが必要。お互い不足している部分を補完しあい、地域医療が成り立つようにしていきたい。
伊藤真美:花の谷クリニックに紹介していただく場合、専用の診療情報提供書を出してもらっている。逆に、亀田や安房地域医療センターに紹介する場合、最低限必要な事項を盛り込んだフォームがあっても良いのでは?と思った。
不動時:同じフォームでやるのがいいと思う。病院の立場からすると、患者を丸投げされるのはともかく、方針を丸投げされるのは困る。同じことが逆の場合も言えると思うが、お互い連携の中でつめていければ良いと思う。
井合茂夫:情報がスムースに流れることは重要。フォーマットのことは全Drが感じていること。千葉県では全県をあげて脳卒中パスを作っている。今の時勢、オンラインでタイムロスなく情報が交換できれば良いと思う。
(2)自己紹介・事業所紹介
鴨川国保病院 関Drの進行でそれぞれ自己紹介。
(3)安房地域医療センター メディカルディレクター
リウマチ・膠原病・感染症内科 本島 新司 先生より
お互い知り合うと、とても便利なことが多い。便利なことは患者の為にもなること。こういう集まりは理想的だと思う。
安房地域医療センターの内科を紹介。血液内科を除けば、ほぼ対応は可能。
呼吸器内科2名(専門医は4名) リウマチ・膠原病・感染症内科(2名・それぞれ専門医)
消化器内科2名 神経内科2名 腎臓内科1名 循環器内科2名 が常勤。
内科系はほぼ対応可能なので、近くの急性期病院を上手く利用してほしい。電話が掛かってきたら、声だけで○○Drとわかるような関係を作っていきたいと思っている。安房にはすばらしいネットワーク(病院⇔診療所 病院⇔病院)の基礎があると思います。
(4)情報交換
①松永医院 松永Drより
a.「医師1人でも可能な在宅緩和ケアの実際」 講師 鈴木 央 先生
1月22日(金)19:00~ 南総文化ホ-ル
b.日本在宅医学会
2月27日 28日 OVTA(幕張)
②亀田リハビリテーション病院 井合Drより
第3回 地域リハビリテーション懇話会
2月13日(土)14:00~ 南総文化ホール
③ 鴨川市立国保病院 関Drより
第3回 安房健口ネット
2月16日(火)19:00~ 鴨川市立国保病院
④ 亀田総合病院 佐藤SWより
がん相談支援センター・難病相談支援センター共同企画
「ボランティアの可能性」
(5)閉会挨拶 花の谷クリニック 伊藤Dr
皆さんお疲れさまでした。大勢お集まりいただき、ありがとうございました。次回は世話人で相談して決めますが、3月16日あたりです。
2016年12月4日 6:11 PM
2016/12/4 安房地域医療センターに入院中
在宅介護12年目,東京から2年前に新しい介護の取組みをしてる小規模多機能「ろくじろう」にラブ❤️コールで館山に介護移住…都会の孤立した介護生活から新たな家族仲間と暮らし始めましたが。再度の脳梗塞発症で入院中。そこから見えてきたものがあります。田舎は車無しでは何処にも行けない。都会生活者には考えられない世界が待っていました。
夜間介護してても、車が無いとコンビニにも行けず,食事が出来ません。6Fのレストランは日替わり¥400 安いが,断然コンビニ弁当の方が美味しい。
介護する人達が癒やされるような,また行きたくなるような病院経営出来ることを切に祈ります。