日時:2018年9月25日(火) 19時〜21時
会場:安房医療福祉専門学校 小池ホール
幹事:亀田ファミリークリニック館山 吉澤瑛子
テーマ:遺族ケアを考える 〜点から線、線から面へ〜
内容:
みなさまは,ご家族,ご親戚のほか,身近な存在(ペット)との死別後,
悲しみ,なげきなどの感情をどのように受け止めていらっしゃいますか。
見た目には問題がなさそうでも,そういった悲嘆による症状で困って
いる方はたくさんいらっしゃいます。
死別体験に対する心と体の反応を悲嘆反応といい、誰しもが起こる反応で病的なものではありません。
ときに反応や期間が通常の範囲を超える「複雑性悲嘆」がみられ、うつやPTSD、不安障害、遺族の自殺リスクが高まることが示されています。
悲嘆反応に対するケアを「遺族ケア」といいます。
今回は当施設で取り組み始めた「遺族ケア」についてご紹介するとともに、
参加された皆様にとっての「遺族ケア」がよりよいものになる、お手伝いができればと考えています。
安房地域医療圏では平成23年では2118人/年の方が亡くなっており、多くの方が死別を体験していると考えられます。
ご自身が遺族となる場合もあれば、仕事で関わった方が亡くなられることもあると思います。
今回の例会をきっかけに、ご自身の、また、地域における「遺族ケア」について考えてみませんか?
<当日の流れ>
■遺族ケアの必要性について
①悲嘆学総論レクチャー:通常悲嘆と複雑性悲嘆・悲嘆学や遺族ケア
・複雑性悲嘆や合併症について伝える。
・遺族ケアの必要性をケアと予防的観点から伝える。
・通常悲嘆について伝える。 ※通常悲嘆は医療者の介入を要さない。
■個人でできることに気づき発見する
①参加者の最近死別体験の話
②個人で行なっていることやできることについてディスカッション
・日々の臨床や業務での遺族ケアの体験の共有の場を作る。
・日々の臨床や業務で実践できることを考え、共有する場を作る。
■地域でできるとを学び・考える
①館山地域の現状/私達の取り組みの話
・当院での遺族外来や遺族ケアの試みを伝える。:グリーフカード、遺族ケア外来、お焼香、遺族会の要望
・地域で取り組む遺族ケアについて考える場を作る。
・地域でできる遺族ケアのモデルの取り組みについて伝える。
海外のモデル事例 イギリス Widow to widow program (self help group)1960-) など
②地域ぐるみでできる取り組みのアイデア出し
幹事から終了後の一言:
繊細な話題で声かけしにくいケースもあると思いますが、遺族をケアするために、どう寄り添うか、という点を深められたと思います。
今回の話し合いをきっかけとして、個人で、施設で、地域で、遺族ケアの輪が広まることを願っています。
※安房医療福祉専門学校 ホームページ「キャンパスブログ」に掲載していただきました!
https://www.awa-school.ac.jp/blog/
参加者数(職種別)、参加施設数:
講師(医師4人 チャプレン1人)
参加者 47名(医師7人 看護師6人 リハビリ療法士6人 ソーシャルワーカー 17人 介護支援相談員 7人 訪問ステーションスタッフ 2人 相談員1人 介護スタッフ 1人)
12施設